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488話

ポルトガル、リスボン。

リスボンの冬は陰鬱で寒い。この地の人々が戦場から遠く離れていることに安堵し、交戦の苦しみを味わわずに済むと胸を撫で下ろしていたのも束の間、数日後には衝撃的なニュースが飛び込んできた。リスボンの十字聖壇に巨大な穴が現れ、何かが中から飛び出し、天空に静止しているというのだ。

人々の感覚は鋭敏だった。

黄金の甲冑を身にまとった謎の存在がリスボンに出現し、この街の冬はいつもより一層冷たさを増していた。

天使の出現！

この都市から慌てて逃げ出す者もいれば、天使が実在すると知って遠方からわざわざ駆けつける者もいた。

また、天使に跪いて崇拝し、神として奉る者たちもいた。

「神は本当...