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310話

青と赤が交錯する炎が、張浩然の手にある幽冥剣を妖しい色に染め上げた。同時に、幽冥剣の剣身に宿る冷厳な気質も、どこか陰険な雰囲気に取って代わられていた。

陰陽の力が張浩然の操作によって、幽冥剣の本質を変えたのだ。

以前の幽冥剣は大きさに比例して威力が増したが、今は違う。陰陽の力の威力は、幽冥剣の大きさに左右されない。

張浩然は幽冥剣を握り締め、蛟竜を見据えた。今度こそ、疾の四剣を使って、蛟竜をその場で仕留めるつもりだ!

「シュッ」

張浩然は蛟竜に向かって突進し、手にした幽冥剣が虹のような軌跡を描いた。その凄まじい気迫に、地上で裴小遠たちと戦っていた巨大な蟒蛇たちは恐れをなして、一斉に後退した。

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