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250話

葉浅は手を振るだけで一筋の勁風を放ち、その標的は明らかに張浩然の顔面だった。

張浩然は手を上げて一掌を繰り出し、その勁風を真正面から打ち散らした。

「葉浅、見たところ君の身体は武道の道で頂点まで修行を積んだようだな。手を振るだけで勁風を生み出すとは、なかなかだ」張浩然は珍しく葉浅を褒めた。

武道の一派は近百年来、低迷した状態が続き、天才が表舞台に立つことは少なかった。葉浅のように空中で指一本で勁風を放つには、腕の力、速さ、耐久力に高い要求がある。

だから張浩然から見れば、葉浅の実力はまあまあというところだった。

「張浩然、うぬぼれるのもいい加減にしろ」

葉浅は張浩然に攻撃を防がれても、さらに攻...