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15話

「この九十万あれば、薇薇の大学学費は十分です」肖亦珊は安堵の笑みを浮かべた。彼女と肖薇薇は血の繋がりはないが、互いに寄り添う家族のような絆で結ばれていた。

「わかった、あなたの言う通りにしよう」張浩然は多くを語らず、ガラスケースの錠に手をかざすと、「カチッ」という音とともに自動的に開いた。

「植物には名前があるの。大切に扱ってほしいわ」肖亦珊は長方形の鉢植えをガラスケースから取り出した。「この植物は樹霊と呼ばれていて、私の祖父の代から受け継がれてきたもの。これまで誰にも手放したことがなかったわ」

「素晴らしい名前だ。こんな植物が生まれるのは、人傑地霊の地でなければ得られない福だろう。樹霊...