契約グミ

43話

祝珩は周囲から送られる好意の視線など全く気にしていないかのように、温厚な紳士のような笑みを浮かべ、礼儀正しく、極めて適切な言葉遣いで話していた。彼は矢継ぎ早に視察し、交渉し、発言し、全体会議では会社合併後の事業展開について説明したが、その間betaには一度も目を向けることさえなかった。

betaは内心、祝珩が何も不適切な行動を取らなかったことに安堵し、祝珩が現れた時から絶えず張り詰めていた神経を緩めた。

その夜、家に帰ると祝珩は後ろからbetaを抱きしめ、からかうような口調で笑いながら言った。「どう？会社で俺を見かけて驚いた？」

betaは笑うことができず、黙ったまま、そのまま祝珩に抱き...