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197話

彼は立ち上がり、そこに半跪いている祝珩よりも少し背が高かった。betaはちょっと考えてから、小指で祝珩の袖をひっかけて示した。「条件付きだよ」

祝珩が顔を上げると、夕日が彼の瞳に隠れた。「どんな条件?」

凌落は両腕を伸ばし、首を傾げた。「疲れたぁ。おんぶして歩いてくれたら、あなたの言うことを聞いてあげる」

祝珩は一瞬きょとんとしたが、すぐに理解して、眉目を緩め、口元の弧はさらに深まった。「いいよ」

潮が満ちてきて、空が徐々に暗くなる中、二人は黙って帰り道を歩いていた。

「祝珩」

「ん?」

「私、重くない?」凌落は彼の背中に乗り、顎を彼の後ろ首に埋めたまま、こもった声で言った。

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