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172話

凌落の顔が青ざめた。

林琛は数秒間静かに息をついてから、続けた。「彼は生涯あんなに惨めな思いをしたことがなかった。時には痛みで意識が朦朧とし、唇を噛み切るほどで、それでも涙を流しながら私に尋ねたんだ。お前もあの時、彼のように苦しかったのかと」

βは全身を震わせ、心臓が強く締め付けられる感覚に襲われた。

林琛の声は嗄れていた。「そのうち、抑制剤の効果はほとんどなくなり、彼は毎回痛みで転げ回り、次の瞬間にも死んでしまいそうだった。最終的には、一般の抑制剤はまったく効かなくなり、トップαレベル専用の特殊な抑制剤を特注するしかなかった。だがこの抑制剤には強い副作用がある。何だと思う?」

凌落は慌てた様...