契約グミ

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140話

「私は住宅ローンを払えるし、自分の生活も成り立っている。それに余暇には旅行して景色を楽しむこともできる。これで十分だと思う」

「だから……」凌落は淡々と微笑んだ。「何も必要としていないし、何かを奪われたとも思っていない。私は……」

そのとき、携帯の着信音が鳴り響いた。

凌落は申し訳なさそうに微笑み、書類カバンから携帯を取り出して出た。「もしもし」

「うん、仕事終わったよ」

「すぐに帰るから」凌落は顔を上げて祝珩を見た。彼が俯いて黙っているのを見て、さらに言い足した。「心配しないで、知り合いに会ったから少し話してから帰るよ」

「あなたは……わかった、じゃあまた、バイバイ」

電話を切ると、凌落は微...