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983話

戦神学院からの信頼を取り戻した龍飛は、これからの一歩一歩をより慎重に踏み出す必要があると理解していた。

霍元奇がかつて戦神学院の聖戦士にまでなりながら、結局は正体が露呈し、今では異獣山脈に身を隠す境遇に落ちぶれたことを思えば尚更だ。

「学院の聖戦士になれば、鉄狼の護衛隊に加わるチャンスも生まれる!」

龍飛は心の中で思案を巡らせた。黒鷹組織の首領である鉄狼のことを考えると、好奇心で胸がいっぱいになる。

「鉄狼の護衛隊に入れれば、鉄狼に接近できるじゃないか!」

龍飛には分かっていた。鉄狼に近づく機会さえあれば、時機を見て鉄狼を排除することで、黒鷹組織に大きな打撃を与えられるはずだ。

だが今の龍飛...