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962話

「なるほど、しかも化骨毒掌を使いこなせる者には相当な功力が必要だ。戦神学院全体でもこの掌法を会得している者は十人にも満たないぞ!」

丹陽子は軽く頷きながらも、心中は不安に駆られていた。何と言ってもこの事件は薬王殿全体の名誉に関わる問題なのだ。

「一体誰がやったのだ、まさか薬王殿の内部に裏切り者でもいるというのか!」

鐘無極は疑念を込めて言った。自分の愛弟子・唐浩も生命の気配を失ったと知り、彼もまた心配で仕方がなかった。

「鐘の爺、その言い方はどういう意味だ?」

鐘無極の言葉を聞いた丹陽子の顔に不快感が浮かんだ。事件の真相が明らかになる前に、誰も軽々しく断定などできないはずだ。

「別...