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956話

漆黒の墨のように深い顽皮回旋珠は、龍飛の真気が注入された瞬間、まばゆい青い光を放ち始めた。

その青い光だけではなく、顽皮回旋珠の周りには一筋の紫色の炎が浮かんでいた。龍飛の紫焰獣火だ。

「バン!」

唐浩の青焰剣が鋭い剣気を纏いながら、龍飛に向かって疾風のごとく突き刺さってきた。龍飛の前に浮かぶ顽皮回旋珠も、稲妻のように迎え撃った。

二つの神器が空中でせめぎ合う。顽皮回旋珠の紫焰獣火が、瞬く間に青焰剣の青い炎を飲み込んでいくのが見えた。

「ああっ!」

自分の神器である青焰剣の獣火が、紫焰獣火にあっという間に飲み込まれるのを目の当たりにした唐浩は、思わず驚きの声を上げた。

唐浩のこの神器...