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942話

広大な広場で、すべての視線が赤峰宇に集まっていた。どう見ても、今や彼は衆人の目に焦点となっていた。

学院に入ったばかりの赤峰宇は、自分がこうして決勝の舞台に立つ機会を得るとは思ってもいなかった。だからこそ、このような重要な決勝戦において、彼がまだ冷静さを保っているということだけでも、彼の実力を十分に証明していた。

丹火は目に見えなくとも、薬鼎の中の薬材を精錬することができる。赤峰宇は揺るぎない信念を胸に、一寸一寸の丹火を操りながら、細心の注意を払って精錬の任務を進めていた。

「峰宇兄貴、頑張れよ!絶対できるさ」

龍飛は錬丹術にはあまり詳しくなかったが、赤峰宇がこれほど落ち着いて挑んでい...