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940話

「どうしたの?このお参りスープに何か問題でも?」

聞いて丹陽子の言葉を、鐘無極はすぐに心配そうに尋ねた。同時に自分の愛弟子である唐浩がまさか自分に手を出すとは信じられなかった。

「このスープには薬が仕込まれています。毒ではありませんが、人を昏睡状態に陥れるもので、飲んだ人は全く気づかないほどのものです」

丹陽子は説明した。その時、鐘無極は激怒の表情を浮かべ、唐浩が自分に薬を盛るなんて、まさに大逆不道だと思った。

「唐浩のやつ、本当に図々しい奴だ。普段あれほど良くしてやったのに、わしに薬を盛るとは。幸い昏睡させるだけのものだったが、もし毒だったら、この老い骨はおしまいだったぞ」

鐘無極は...