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925話

「なんて強力な異獣だ。まさか今の俺の実力では、赤炎魔竜の幼体一匹すら倒せないとは」

龍飛の攻撃は確かにこの赤炎魔竜の幼体にダメージを与えたが、本当に仕留めることはできなかった。それに龍飛も驚かざるを得なかった。赤炎魔竜のような異獣は本当に強大すぎる。

しかもこれはまだ成長途中の幼体に過ぎない。もし龍飛が成体の赤炎魔竜と対峙していたら、おそらく抵抗する機会すら与えられなかっただろう。

この激しい攻撃の応酬で、赤炎魔竜の幼体も完全に怒り狂った。その全身の炎がより一層激しく燃え上がり、鼻から吐き出す息さえも灼熱の高温を帯びていた。

「ウゥ……」

一声咆哮し、赤炎魔竜は振り返るなり龍飛に向か...