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89話

「花姐、東兄が来られましたよ」

柳素雲が龍飛たち三人を連れてカジノから立ち去ろうとした矢先、一人のサービススタッフが彼女の前に現れ、そう告げた。

「え?東兄が来たの?」

柳素雲は雷東がこんな時間に地下バーに来るとは思いもよらなかった。何の用事で来たのかも分からない。

「小花、大丈夫か?」

雷東がカジノの入り口から入ってくるなり、柳素雲を見つけると足早に近づいてきた。

雷東の両脇には二人の屈強なボディガードが付き添っていた。たった二人だけだったが、とてつもない威圧感を放っていた。というのも、この二人の身長はほぼ二メートルを超えていたからだ。

龍飛にとっては雷東を見るのは初めてだった...