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886話

「なかなかやるな、俺の兄弟は薬王殿で過去百年で最も才能がある弟子だ。百里擒龍を超えられるかどうかは、時間の問題さ」

龍飛は自信満々に言った。薬皇丹陽子に目をかけられた弟子なのだから、並の者であるはずがない。

「飛兄、その兄弟って何て名前なんだ?今まで聞いたことないんだけど」

花麻子は好奇心を抱いて尋ねた。彼は薬王殿の人間ではないが、薬王殿の名のある錬薬師については、ある程度知識があった。

「赤峰宇という。まだ十八にもなっていない。今年戦神学院に入ったばかりの新入生だ。知らなくて当然だろう!」

龍飛は事実をそのまま答えた。花麻子は確かに赤峰宇という名前を聞いたことがなかった。実際、戦神学院薬...