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872話

「誰が一歩でも魔晶に近づいたら、その後がどうなるか分からないぞ」

龍飛は冷たく言い放った。声は大きくなかったが、その言葉には並外れた威圧感が漂っていた。

龍飛にとって、この蟻后魔晶は容易に手に入れたものではなかった。チームメイトの一人が負傷し、やっとの思いで蟻后を討伐して手に入れた魔晶だ。簡単に他人に譲るわけにはいかなかった。

「龍飛、お前は良い話が通じないようだな。俺のメンバーに手を出すとはな!」

魔晶を取りに行ったメンバーが龍飛に攻撃されたのを見て、賀青雲の顔に怒りの色が浮かんだ。

「賀青雲、この野郎!俺たちが苦労して蟻后を倒したんだ。この魔晶は当然俺たちのものだろう。それを横取りし...