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87話

龍飛は顎をわずかに上げ、楊浩虎を見下すように言った。楊浩虎は地下バーの格闘リングでサンダ王と呼ばれているが、龍飛にとっては何の心配もなかった。

「このガキ、七分どころか、七秒で叩きのめしてやるぜ」

楊浩虎はそう言うや否や龍飛に向かって突進してきた。砂袋のように大きな拳が風を切る音とともに、龍飛の顔面へと叩きつけられた。

格闘家として、楊浩虎の繰り出す拳は異常なほど速い。普通の人間なら、この一撃で口から血を吹き出していただろう。

その威圧的で強烈な拳に対し、龍飛はわずかに体を傾けただけで、驚くほど危なげなく避けた。それでも楊浩虎の拳が龍飛の頬をかすめた時、顔を撫でる風圧を感じることができ...