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862話

暗の神域第一層において、魔蟻は確かに強力な異獣とは言えないが、その強みは数の多さにある。そのため、遭遇すると非常に危険な事態となる。

花麻子の言う通り、十数匹の魔蟻は確かに大した問題ではなかった。一分もかからずに彼らはそれらを斬り殺した。

だが、誰も予想していなかったことに、今斬り殺した十数匹の魔蟻は先遣隊に過ぎず、本隊は後方から押し寄せてきていたのだ。

バスケットボールほどの大きさの魔蟻が、漆黒の奥から絶え間なく集まってくる様子は、まるで大群が竹を割るような勢いで押し寄せてくる光景に、思わず背筋が凍るような感覚を覚えた。

「こんなに多くの魔蟻がいるなんて、暗の神域でこういう状況は極め...