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83話

賭場の二階では、廊下に五メートルごとに黒服のボディガードが配置されていた。その威圧感に陸雪瑤と林依純という二人の少女は、思わず心臓の鼓動が速くなるのを感じていた。

「龍飛!こんな状況でも少しも怯えた様子を見せないなんて、あなたの胆識は並外れているわね」

柳素雲は隣にいる龍飛を見上げた。龍飛の表情は古井の水のように穏やかで、黒服のボディガードたちを完全に無視しているようだった。その気概に柳素雲は自然と心から感服した。

「こんなの大したことないよ。ただの用心棒にすぎないさ」

龍飛は軽蔑したように言った。心の中では、自己はかつて実弾が飛び交う中でも瞬きひとつせずに立ち向かってきたのだから、素...