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818話

「峰宇、お前の件を聞いて、すぐに駆けつけたんだ。獣王殿の者たちに何かされなかったか?」

中年の男性が心配そうに尋ねた。彼こそが赤峰宇の師匠である修羽、そして薬王殿の殿主候補者でもあった。

「大丈夫です。師叔祖がいらっしゃるので、獣王殿の連中なんて僕に手出しできませんよ」

赤峰宇は首を振りながら、丹陽子という戦皇が自分の後ろ盾になっている以上、獣王殿に十の胆があったとしても自分に危害を加えることはできないだろうと思った。

「師叔祖?」

赤峰宇の言葉を聞いた修羽の視線はすぐさま丹陽子に向けられた。骨と皮ばかりのその老人を見るや否や、彼の目は輝きを放った。

「お前が修羽か」

丹陽子は修羽を見つ...