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814話

「妻よ、やめてくれ!そんなことをしたら怪我をするぞ!」

カーシャ女王が獣化を始めたのを見て、黒木トオは慌てて叫んだが、すでに遅かった。

黒木トオからすれば、龍飛のような学生相手に、そこまで力を使う必要などなかった。たとえ龍飛がカーシャ女王の虹色羽矢を防いだとしても、自分の必殺技までは防げないだろう。

獣王殿の者たちは横暴ではあるが、約束は必ず守る。龍飛の条件を受け入れた以上、黒木トオがどれほど強くとも、軽々しく手を出すわけにはいかなかった。

今カーシャ女王が獣化を使ったのは、龍飛が彼女の虹色羽矢を防いだからだ。カーシャ女王としては、獣化で戦闘力を高めなければ、龍...