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813話

獣人部族の鷹族の者たちは、この自傷行為に近い陰湿な技をめったに使わない。一度使えば、相手の命を奪う決意の表れだからだ。

そのため、虹の羽矢を受けた敵を救うために自らの血を使う鷹族など、ほとんど例がない。

今、カーシャ女王が放った虹の羽矢は不意を突き、稲妻のように龍飛の体めがけて飛んできた。龍飛の現在の実力をもってしても、この七色の矢の光を避けるのは難しかった。

「シュッシュッシュッ!」

矢の光が迫り、避けるには遅すぎた。龍飛は咄嗟に真気を巡らせ、空中に掌を向けてその七色の矢の光に対抗した。

「ふん!手を出して受け止めるとは、死にたいようだな!」

龍飛が掌を出して自分の虹の羽矢を受け止...