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809話

「私は龍飞、赤峰宇の兄弟だ!お前たちが何者か知っているさ、理不尽な獣人の一味だろう!」

龍飞は少しも怯む様子もなく、黒木托とカーシャ女王を見据えて率直に言い放った。

「なんだと?龍飞のやつ、正気を失ったのか。黒木托とカーシャ女王を直接獣人呼ばわりするとは!」

龍飞の言葉を聞き、地院執法堂の長老たちは一様に青ざめた顔をして、心の中で「龍飩のやつは死という字がどう書くか知らないのか、よくもあんな風に相手を獣人と呼べるものだ」と思った。

確かに黒木托とカーシャ女王は獣人部族に属しているが、獣人部族の者たちは他人から「獣人」と呼ばれることを好まない。

彼らにとって、獣人と呼ばれることは自分たちを見下す...