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808話

「なんてこった、これが獣人族の獣人なのか?」

龍飛の視線はその二つの人影に釘付けになり、思わず息を飲んだ。彼の目には、この二人はとても人間とは呼べないものに映っていた。

しかし、この二人が間違いなく獣人であることは確かだ。ただ、その外見があまりにも信じがたいものだったのだ。

「さっさと赤峰宇のガキを引き渡せ。さもなきゃ容赦しねぇぞ!」

黒木托は地院執法堂の長老たちの前に威圧的に立ちはだかり、そう厳しく言い放った。

黒木托は全身が黒く、その肌は光沢を放つほどだった。体格も異常なほど大きく逞しく、見たところ二メートルを優に超えていた。

その巨体だけでなく、黒木托は獣皮を身にまとい、虎のような背中と...