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807話

「峰宇兄、君の言うところによると、黒木托の息子と青龍堂の女子隊員の恋愛話は嘘だというのか?」

龍飛は少し眉をひそめた。赤峰宇の提供した情報は間違っていないが、黒木托の息子と青龍堂の女子隊員の恋愛については、天院の学生全員が耳にしていることだった。

「彼らが付き合っているのは事実だよ。ただ、俺にはどうしても腑に落ちないんだ。青龍堂の女子隊員がなぜ獣王殿の者を好きになるんだ?」

赤峰宇は理解できずにいた。普通の女性なら獣人と恋愛するはずがない、ましてや青龍堂の女子隊員ともなれば尚更だろう。

戦神学院に入れる者はみな並みの人間ではない。だからこそ赤峰宇は、青龍堂のあの女子隊員が獣人を好きになると...