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752話

巨蛇に絡みつかれて地に倒れた黒山金猿王は、生への執着を諦めてはいなかった。鋭い爪を持つ両手で巨蛇の体をしっかりと掴み、自分の身体から引き剥がそうと必死だった。

しかし巨蛇の体は絡みつくほどに締め付けを強め、黒山金猿王がどれほど力を込めても、巨蛇の束縛から逃れることはできなかった。

「この千年巨蛇の皮膚は、本当にそれほど硬いのか?」

龍飛は目の前の光景を信じられない思いで見つめていた。山をも砕く力を持つはずの黒山金猿王の爪が、この巨蛇の皮膚を貫くことができないのだ。

さらに巨蛇の体表は極めて滑らかで、黒山金猿王がどれほどの力を使っても、この巨蛇を身体から引き剥がすことができなかった。

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