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745話

六爷の先導のもと、龍飛を含む六人は古城の大門から素早く離れ、黒山谷の方向へと直接進発した。

三十分後、龍飛と赤峰宇は再び黒山谷の入口に姿を現していた。

数日前に黒山谷で狼の群れに遭遇したことを思い出し、龍飛と赤峰宇の心には今でもわずかな不安が残っていた。

「覚えておけ、何が起きても命が第一だ。宝物を見つけたからといって、自分の命を危険にさらすようなことはするなよ」

谷に入る前、六爷は注意を促した。宝物の前では多くの者が理性を失うということをよく知っていたからだ。

「ご心配なく、六爷。私たちは必ず自分の安全を確保します。絶対に六爷に迷惑をかけるようなことはありません」

龍飛は安心させるよう...