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712話

「黒山巨狼(ヘイシャンジュラン)?」

王流通の言葉を聞いて、赤峰宇はすぐに首を傾げて尋ねた。

「そう、黒山巨狼だ。こいつは非常に凶暴でな、俺たちは気をつけないとな!」

王流通は警告するように言いながら、顔色は青ざめ、巨大な狼を前にして額には冷や汗が浮かんでいた。

黒山巨狼は黒山谷特有の猛獣で、その体格は通常の狼の数倍以上もあり、戦闘力は驚異的だ。一頭の猛虎でさえ、こいつの相手は難しいだろう。

ただ普段、黒山巨狼は黒山谷の外周部から奥に入った地域に生息していて、龍飛たちがいるような外周区域にはめったに現れない。

「こいつなら見たことあるぞ。霹靂堂の年度末大会の試験にいた森の狼じゃないか?」

黒山...