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545話

「別に何もないから、もう少し探してみるよ!戻ってこなかったら、校門で待っていてくれ」

龍飛はそう言って走り去った。焦りの表情を浮かべる彼の行動に、陸雪瑤たち三人は驚きを隠せなかった。

「杜娟児は彼の婚約者だけあって、やっぱり彼女のことが忘れられないのね」

龍飛の去っていく背中を見つめながら、陸雪瑤は涙が込み上げるのを感じた。彼女の歌唱コンテストのことを、龍飛がまったく気にかけていないことが信じられなかった。

「雪瑤、きっと龍飛は杜娟児に何か急用があるんじゃない?今日はコンテストの参加証を手に入れたんだから、ちゃんとお祝いしようよ!」

林依純は慰めるように...