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520話

「大丈夫ですよ。年次大会の枠は限られていますし、皆にとっても昇格のチャンスです。私が選抜に参加せずに枠を一つ取ってしまえば、確かに仲間たちに不公平に感じさせてしまいますから」

龍飛はさりげなく言った。心の中では、天狗が自分を選抜大会に参加させるのは、ここにいる傭兵たちに龍飛の実力を見せつけるためだろうと思っていた。

この拠点で最も強い人物として、天狗は当然龍飛に期待を寄せていた。年次大会でこの拠点の名誉を勝ち取れるかどうかも、すべて龍飛に懸かっていたのだ。

「あいつが今年の静海市の拳神・龍飛か?まさか俺たちの拠点にいたとは!」

「そうだよ。龍飛がいれば、今度の年次大会で俺たちの拠点はきっと注...