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52話

「このクソガキ、後でたっぷり目にもの見せてやるから」

高速で走る感覚は確かに気持ちよかったが、林依純はひどく怖がっていた。彼女の小さな手は龍飛の服をしっかりと掴み、バイクから落ちないようにと必死だった。

林依純の緊張した体が自分にぴったりと密着しているのを感じながら、龍飛は口元が歪むほど笑みを浮かべていた。

「龍飛!もっとゆっくり走って、怖いわ」

林依純は後部座席に座りながら緊張した様子で言った。彼女は幼い頃からお嬢様育ちで、こんなバイクに乗ったことなど一度もなかったのだ。

「怖いのか?それって俺にお願いしてるってことか?」

龍飛は得意げに笑いな...