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516話

「陸おじさん、本当に度胸がありますね。でも仰る通り、一番危険な場所が一番安全な場所。彼らはまさかここに住んでいるとは思わないでしょう」

龍飛は同意しながら言った。心の中では陸文山に対する敬意が一層深まった。さすが二十年前の静海市の超大物、その度胸も謀略も並の人間とは比べものにならない。

「そういえば龍飛!お前が忠義厅拳王争覇戦のチャンピオンになったと聞いたぞ。若いのに、なかなかやるじゃないか!」

陸文山は褒め言葉を口にした。忠義厅拳王争覇戦の創設者として、彼はこの大会の事情を誰よりも熟知していた。

毎年チャンピオンは誕生するが、龍飛のような若き拳神が現れたのは初めてのことだった。

「陸おじ...