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506話

拳神金杯を手に入れたのは確かに喜ばしいことだが、鉄山を倒したことで龍飛に面倒が降りかかるのは間違いなかった。

「兄貴、本当に申し訳ありません。鉄山を殺すつもりなんてなかったんです。どうしたらいいでしょう?僕に何か問題が起きますか?」

龍飛は心配そうな様子を装って言った。やはり鉄山は楚覇天の拳士だ。こうして自分の手で死んでしまったのだから、相手が黙っているはずがない。

「龍飛、心配するな。拳の試合は命の危険を冒すものだ。彼がお前の手で死んだのは、彼の実力不足を嘆くしかない。楚覇天も文句は言わないだろう」

雷東は慰めるように言った。心の中では、たかが一人の拳士じゃないか、こんな危険な競技な...