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382話

「三方の施主よ、ここに辿り着けたのは私との縁があってこそ。お渡しするものは他にございませんが、これは私が心を込めて調合した梅花丹です。どうぞお受け取りください」

玄静師太は、妙玉小尼が持ってきた三つの小さな玉の小瓶を受け取ると、すぐに丁寧に言った。

「師太、そんな…恐縮です。私たちがあなたの贈り物をいただくなんて」

龍飛は慌てて言った。結局のところ、彼らはただ偶然にここに来ただけで、何の贈り物も用意していないのだから、人の物をもらうのは気が引けた。

「構いませんよ。この梅花丹はたいした珍しい物でもありませんから、遠慮なさらず。お持ちになってください。いつか役に立つかもしれませんよ」

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