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376話

「そうだね!途中で仏子を乗せて山に行くなんて思ってもみなかったよ。これで俺も仏子のご利益にあやかって、これから十年は繁盛するかもな」

雷東はわずかに頷くと、林依純が仏子となり仏門の至宝である舎利子を手に入れたことを思い出し、すぐに続けた。「林さん、その舎利子を見せてもらえないかな」

「ああ!もちろん」

雷東が舎利子に非常に興味を示していることに加え、彼が西城区の有力者であることもあり、林依純は迷うことなく舎利骨牌を取り出して手渡した。

「素晴らしいものだ。残念ながら私には縁がなかったがね」

舎利子を手のひらに乗せて眺めながら、雷東の目には羨望の色が浮かび、思わず自分のものにしたいとい...