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368話

仏光寺の開眼法要は十年に一度の行事であり、舎利塔が一般公開されるのもこの日だけである。舎利塔に入ることができる人は、基本的に仏縁のある者たちばかりだ。

舎利塔に宝が隠されているという話について、龍飛は本当に気にしていなかった。彼が中に入ったのは、ただ珍しさに惹かれただけだった。

三人が環状の回廊に来ると、そこには多くの観光客が並んでいた。彼らは首を伸ばし、壁を見上げている。

「なるほど、壁画か!」

舎利塔二階の壁を見上げると、そこには色鮮やかな一幕一幕の壁画が描かれていた。

壁画の起源は石器時代にまで遡る。人々は生活の様々な活動を石壁に彫り込み、それは人類史上最も古い記録媒体と言える...