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261話

「慌てないで!まず荷物を取るから待って」

龍飛はそう言うと、黒いハンドバッグを手に取り、中から布の包みを取り出した。

その布包みには、戦龍隊から持ってきた特効薬のほかに、やや特別な小さな布袋が入っていた。

布袋を広げると、中には麦の先ほどの細さの針がびっしりと詰まっていた。金色のものも銀色のものもあり、まさに鍼灸用のものだった。

「これで鍼灸をしてくれるの?あなた医術も知っているの?」

龍飛の布袋に入った細い針を見て、林依純はすぐに興味津々で尋ねた。

林依純は鍼灸を受けたことはなかったが、テレビでは見たことがあった。聞くところによると、鍼灸は先祖...