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210話

「いらっしゃいませ!お嬢さん、彼氏さんのお洋服を選びに来られたんですか?」

店員は非常に丁寧な口調で声をかけた。林依純の清楚で美しい容姿と、龍飛の男らしく格好いい姿を見て、すぐに二人をカップルだと勘違いしたのだ。

「いい感じのスーツはありますか?いくつか勧めてもらえますか」

林依純は気まずそうに微笑んだ。このような状況では説明するのも面倒だったので、そのまま尋ねた。

「はい、当店には最新のスーツがございます。彼氏さんのようなスタイルの方にはぴったりで、お召しになればきっと素敵だと思います」

店員は笑顔で言いながら、林依純と龍飛をアパレルコーナーへと案内した。

そのとき龍飛は手に持っていた...