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156話

「忠義庁はロフー区の高級別荘街にあるんだけど、私も東さんについて一度だけ行ったことがあるわ。そこの拳闘試合はここと大差ないけど、ただ規模が大きくて、選手がもっと強くて、賭け金がケタ違いってだけよ」

柳素雲は説明しながら言った。彼女の言葉は明らかに龍飛に伝えていた——忠義庁は静海市の地下拳闘の頂点であり、一般人が参加できる場所ではないということを。

忠義庁の賭け金について言えば、最低でも数千万から億単位の金が動く。大物になると、一試合で数十億円を賭ける者さえいるという。

一方、この地下バーでは一般人でも参加でき、数千円の賭けも珍しくない。

「なるほど。機会があれば、忠義庁で見識を広げてみ...