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148話

孫兵が自分に対してこれほど丁寧な態度を見せるとは、龍飛も予想外だった。結局のところ、孫兵は自分の手で痛い目に遭わされたはずなのに。

「ありがとう、刀兄!それで虎兄は今夜の拳試合に出るのか?」

龍飛は感謝するふりをしながら言った。心の中では、自分の実力なら、お前が俺の言うことを信じないなんてバカもいいところだと思っていた。

「もちろんさ。お前に怪我させられたとはいえ、あいつの実力なら今夜の相手を倒すのは朝飯前さ。でもまあ、飛兄と比べれば、当然飛兄の方が遥かに強いけどな」

孫兵がそう言う時、その目には龍飛への尊敬の念が溢れていた。前回カジノで龍飛に懲らしめられて初めて、彼は龍飛の腕前を本当に認...