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1043話

寒水瑶の攻撃を受け止めた龍飛は、もちろん座して死を待つようなことはしない。手を振り上げると、一撃の拳を渾身の力で寒水瑶の姿に叩きつけた。

この一撃に龍飛は全ての力を込めていた。寒水瑶のような高手相手では、全力を出さなければ勝ち目などないことを彼はよく理解していたからだ。

「ドン!」

拳が空気を切り裂くと、淡い青色の真気が旋風を巻き起こし、周囲の空気までもが波打つように震えた。

「やるじゃないか、こんなにも深い功力とは。真気がすでに実体化しているとはな!」

龍飛の猛烈な拳が迫る様子を見て、寒水瑶の心には何故か怒りが湧き上がっていた。普段の相手はたいてい彼女に対して手加減するものだったの...