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1037話

周知の通り、龍飞の最も強力な武器は彼の神器でも拳でもなく、体内に潜む紫焔獣火である。

残念ながら英雄競技場では紫焔獣火の使用は禁止されている。一度でも紫焔獣火に打たれれば、丹陽子でさえも手の施しようがないからだ。

唐七の「滝流星」や鐘剣の重陽剣法も致命的な技ではあるが、決闘場での使用は許されている。それらの攻撃は致命的であっても、医術で対処できる余地があるからだ。だが龍飚の紫焔獣火は、生き残る機会を一切与えない。

もし先ほど龍飚が「いたずら回旋珠」で紫焔獣火を放っていたら、鐘剣はとっくに灰になっていただろう。生き延びる機会などなかったはずだ。

「六爺、お褒めいただき光栄です」

龍飚は...