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1031話

龍飛の感知によれば、鐘剣の気配は非常に穏やかで、強大な気息をほとんど感じさせなかった。

だが龍飛には分かっていた。これはまったく鐘剣が自らの気息を隠した結果であり、一般人には彼がどれほどの実力を持つのか探ることなどできないのだ。

「こいつが龍飛か?」

龍飛が鐘剣の実力を探っている時、鐘剣はどうやら何かを感じ取ったらしく、視線が一瞬にして龍飛のいる位置へと向けられた。

四目相対し、鋭い眼光が絡み合う。まるで無言の戦いのように、一瞬にして火花を散らしていた。

「剣兄、あの小僧が龍飛だ。今日の決闘の相手だぜ」

鐘剣に付き添っていた器王殿の弟子の一人が、すかさず告げた。

「なかなかやるな。唐七を...