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1019話

「お前が唐七か?」

自分に向かって歩いてくる唐七を見て、龍飛も少し驚きの色を見せた。この冷酷な顔立ちの美しい青年が唐七だとは、まったく想像していなかったからだ。

龍飛は以前から唐七に注目していたし、この冷酷な美青年の実力が並外れていることも知っていた。だが、唐七がこんな若者だとは思いもしなかった。

龍飛の認識では、唐七は三年前にすでに戦神学院で名を馳せていたのだから、当然、徐海東のように少なくとも三十代の中年男性だろうと思っていたのだ。

「龍飛!お前のことはずっと見ていた」

唐七はさらりと言った。彼はよく覚えている。初めて英雄競技場に足を踏み入れ、龍飛とヌルダの決闘を観戦した時から、龍飛は自分...