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1001話

「やっぱりそうか、お前がそんな善人なわけないと思ってたぞ」

ヌルダの言葉を聞いて、トウ七はすぐに顔に軽蔑の色を浮かべて言った。だが、彼はヌルダのこうした行動に理解を示していた。結局、自分もそうやって生きてきたのだから。

戦神学院という武を尊ぶ場所では、学院での地位を上げたくない者などいない。中には自分の利益のためなら手段を選ばない学生もいるのだ。

毎年、戦神学院では多くの学生が不慮の死を遂げている。その中には修練中に事故に遭った者もいるが、こうした争いの中で命を落とす者も少なくないのだ。

「七兄さん、僕が英雄競技の最優秀競技王を獲得できるかどうかは重要じゃありません。大事なのは、トウ浩...