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86話

身を翻し、すぐに下へ追いかけようとした瞬間、さっきの女性が駆け寄ってきて尋ねた。「どうしました?何かあったんですか?」

私は慌てて個室の中を指差しながら言った。「個室の人が見当たらないんです。私の上司は女性なんですが」

彼女はすぐに状況を理解したようで、即座に言った。「追いかけてみましょう」

躊躇する間もなく、私はすぐに追いかけ出した。その女性も後を追いながら、インカムで何か連絡を取り始めた。

エレベーターは誰かに細工されていて、下に降りることができない。私たちは仕方なく階段を駆け下りた。

階段を下り切ると、私は一瞬の休憩も取らず、すぐに外へ飛び出した。

外に出た瞬間、一目で先ほど...