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8話

今夜は佳佳と何かが起こるだろうと思っていたのに、まさか決定的な瞬間に、自分がこんなに臆病になるとは思ってもみなかった。

佳佳は服を脱がずに、僕のすぐ隣で眠っている。閉じた瞼の下の彼女の寝顔は美しすぎるほどだ。じっと彼女を見つめていると、その呼吸さえ感じることができる。

彼女の体から漂う香りは相変わらず魅力的で、思いっきり吸い込むと、たまらなく心地よかった。

手を伸ばすと、佳佳の胸の前で止まってしまった。

彼女の胸は特別大きく見え、触れることができたら、きっと気持ちいいだろうとも思った。

だが、手は宙に浮いたまま、どうしても下ろすことができない。

これは僕に問題があるわけではなく、ただ佳...