魅惑の声 ～ラジオパーソナリティの秘密～

58話

高雪が去った後、私はずっと心配し続けていた。

これは小さな問題ではない。高家の目的が何なのか、今回高雪に与えられた任務が何なのか、全く分からなかった。

だが、一つだけ以前と変わらないことがあった。

あの別れの前、私は彼女を心から信頼していた。そして今も同じように彼女を信じている。彼女は私たちの家に危害を加えるようなことはしないだろうと信じている。

この夜も、一人で空っぽのベッドを守りながら眠る。この感覚は決して心地よいものではないが、何年もの間に私はこの感覚に慣れてしまった。

夜も更け、それでも眠れず、外の星空を見つめていると、突然部屋のドアが開いた。

振り向くと、ドア口に高雪が立っていた。

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