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252話

額から汗が滲み出し、手も止めどなく震え始めていた。もう限界が近いことを感じていたが、同時に敵もまた限界に近づいていることも分かっていた。こうなると、勝負を分けるのは精神力だ。誰が強い意志を持ち、最後まで耐え抜けるか——その者が勝利を手にするのだ。

敵との消耗戦はまだ続いていた。どれくらいの時間が経ったのだろうか、気がつけば刀疤たちが私の周りに集まり、円陣を組むように取り囲んでいた。突然の奇襲は成功したのだ。あとはこの最後の一人を倒せば、任務完了となる。

「暁東、頑張れ!」林夕の応援の声が聞こえた。

私にとって林夕は精神的な支柱だ。彼女の声援を受け、体に徐々に力が戻ってくるのを感じた。敵と...